Coral

珊瑚には巷で知られているよりもずっと多くの種類があるのですが、それは店先の飾り窓や店に並べられているものしか見たことがないからです。手始めに、なめらかな珊瑚にそうでないもの、角張った珊瑚に丸みを帯びたもの、棘や棒がつきだしていて有刺鉄線みたいになっているものもあります。黄色を帯びているつやと、赤と白のようにも見える、コウシンバラの花びらの縁が時々帯びるような色をした珊瑚、黄色いバラのような色をした珊瑚に、バラ色のもの、赤レンガ色のもの、甜菜の赤みを帯びたもの、朱のもの、終いには丸く凝固した血の雫に似たものだってあります。完璧な円をしたものに楕円のもの、小さな桶のような形をした珊瑚にそのほか短い筒のようなものもあります。まっすぐな珊瑚に曲がりくねったもの、さらにはデコボコのものだってあります。星や刺、熊手や花のようなものもあります。

珊瑚は海洋世界で最も高貴な植物であって、気まぐれな海の女神のように形や色がいっぱいあります。
珊瑚の宝飾品は貴賤を問わず誰でも似合い、下にいる人をそれなりに、上にいる人を華やかに飾ります。
彼の目の前で赤珊瑚の首飾りが病んでいるか病みがちな女の胸元でゆっくりと色あせていく場面や、健康な女の胸元ではその輝きを保ちつづけるという場面に立ち会いました。商人という生業を営んでいくうちに、ニッセン・ピクツェニックが気がついたのは、珊瑚は箪笥に仕舞われてしまってしまうといくら赤くとも次第に色あせていくのですが、美しく若い健康な農民の娘の首に巻かれたとたんに輝きを取りもどすということでした。それはあたかも女の血をすい自らの糧にしているようでした。

その場所でだけ、白くしまった女の首の、女の心臓の姉妹といえる脈打つ動脈のすぐ側ででだけ、生まれかわり、輝きと美しさをまとい、男を魅惑する内に宿る魔力を発揮するのです。

ヨーゼフ・ロート、「珊瑚商人譚」

恋人、妻、それとも娘にプレゼントをあげるなら、珊瑚のネックレスが最適です。

Bracciali D'Elia Company

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Gioielli D'Elia Company